コーヒーが冷めないうちに
前々回コンビニ人間を読んだあと、次は伊坂幸太郎だ〜と息巻いていたけれど、タイトルの通り「コーヒーが冷めないうちに」(川口俊和著)を読んだ。
借りていた伊坂幸太郎は「オー!ファーザー」で、読み始めたはいいけど夜に読むにはちょっと重いのと、登場する4人の父親のキャラクターが全然頭に入ってこなくて断念した。
「コーヒーが冷めないうちに」はフランスにくるときの機内で邦画リストに入っていたのをなんとなく覚えているけれど、あの時は隣に座るおばさんが引いてしまうほどに絶え間無く涙を流していたので、見てみようとも思わなかった。
そもそも、有村架純が出ていようが山崎賢人が出ていようがあまり邦画は見ないので、もう何度めかのキングスマンを再生してぼーっと眺めていただけでした。
しかし。「コーヒが冷めないうちに」めちゃよかった。
久々に本を読んで泣いた。泣いたせいで余計寝れなくなったけれど許す。
とある喫茶店のある決まった席に座ると、注がれたコーヒーが冷めるまでの間だけ、過去に戻れるという話なのだけど、それ以外にもたくさんルールがあって、座っているその席からは離れられない、その喫茶店に訪れたことのある人にしか会えないなどなど。そのうち最も重要なのは、過去に戻っても未来は変わらないということ。例えば、過去に戻って自分の両親の出会いを阻止したとしても、その両親から生まれた自分が消えたりすることはないし、自分の両親もそのまま変わらない。
そんな面倒なルールがあると知りながら、それでも過去に戻ろうとする4人の話。
一番泣けたのは二つめの、夫婦の話。結婚していないのですごく共感できるわけではないけれど、相手に次第に忘れられていく寂しやさ、それでも過去に戻って寄り添って行こうとする姿勢が素晴らしくて泣ける...
普段あまり心あたたまる系の作品を読まないけれど、これはよかったです。帰ったら映画も見てみようかな。
是非に。